ロードバイク最大の敵は「空気抵抗」
ロードバイクで走る際、ペダルにかかった力が100%推進力に変換されれば良いのですが実際には様々な抵抗が存在しています。
その中でもとりわけ影響が大きいのが空気抵抗。物理学によれば速度の2乗に比例して大きくなるというのですから、高速域になればなるほど莫大な抵抗として我々の前に立ちはだかります。
そして、空気抵抗の大部分(7割とも8割とも言われる)を占めるのはライダー自身の体が受けるものだとされており、ここを改善することで効率が飛躍的に良くなるのだそうです。
エアロロードを買えばフレームだけで数十万の出費になりますし、ディープリムのホイールも同様。
もちろん効果はあるのでしょうが、今使用しているバイクを使うことを前提に考えればフォームの修正なら投資額は0円。
しかも自分の中に「空気抵抗の少ないフォームで走る」というスキルが蓄積されるわけですから、今後機材に投資したときに得られる効果もより大きくなるのだと思われます。
そこで今回は「如何にして空気抵抗を抑えるフォームを身につけるか?」について調べてみました。
空気抵抗を抑えるために意識するポイント
恥ずかしながら最近知ったサイト「じてトレ」。
ご存知の方にとっては当たり前のことでしょうが、ロードバイクにおけるトレーニングに関する情報が色々と掲載されている非常に有益なサイトです。
様々な論文の掲載やトレーニング方法の提案、関連動画の紹介など様々なコンテンツが充実しているので読んでいるととても楽しくてそれだけで早く走れるようになった気がしてしまいます。いや、間違いなく錯覚なんですが。
話がそれましたが、こちらでかき集めた情報を元に空気抵抗を削減するフォームを身につけるために必要そうなポイントをまとめてみます。
ちなみに今回主に参考にさせていただいたページはこちらです。
空気抵抗の計算式を眺めてみる
まずは高校や大学の物理学・流体力学で出てきたような空気抵抗に関する数式を見てみましょう。
D:空気抵抗、ρ:気体の密度、V:相対速度、S:自転車と人間の前面投影面積、Cd:係数
※相対速度は自分の速度+風(向かい風が+、追い風-)
気体の密度は自然に支配されていてどうにもならない要因なので、意識すべきは前面投影面積と係数です。
可能な限り前傾を取り、姿勢を低くすることで前面投影面積を抑えることはできるはず。
また、係数も物体の形状によって変動するようなのでなるべく抵抗の小さくなるような姿勢を意識したいもの。
それでは具体的にどこを気をつけたらよいのでしょうか?
肘を内側に入れる(上腕を意識する)
参照先のページによれば「サイクリストの上腕の空気抵抗は体の他の部分の前面面積の空気抵抗とほぼ近い」とされています。
これを回避または削減するための対策として
- 肘を内側に入れ「身体が上腕のスリップストリームにはいる」ような状態を作る
- 腕を前に伸ばすことで上腕の断面を円→楕円に変化させることで抵抗を減らす
が挙げられています。
現状の機材を使いながら、自分の意識と根性次第で実現可能な項目だと感じますね。早速次のライドから取り入れたい内容です。
コツとしては
- 脇を絞るイメージで肘を内側に。
- ブラケット先端を持つ、または下ハン前側を持つことで腕を前に出す。
このあたりを意識したフォームを身につけたいところです。
ところでフォーム及びポジションを変えることで実際に空気抵抗はどの程度変化するのでしょうか?その結果が具体的な数値で記載されていましたのでそちらを見てみることにします。
ライディングポジションと空気抵抗の変動
通常のブラケットポジションを基準にした場合の、各種ライディングポジションにおける空気抵抗の増減を割合で表すと、以下の表のとおりになるとのこと。
ライディングポジション | 空気抵抗の割合 |
ダンシング | 138% |
ハンドル中央を持つ | 110% |
ブラケットポジション | 100% |
下ハン(腕を伸ばした状態) | 98% |
下ハン(腕を曲げた状態) | 92% |
下ハン(前側を持つ) | 80% |
DHバー・エアロバー | 75% |
こうして見てみるとポジションによって受ける抵抗が大きく変動することがよく分かります。
同じ下ハン持ちでも腕を伸ばした状態と曲げた状態だけで6%も開きが出るというのは正直驚きです。
漠然と「下ハン持って姿勢下げてれば空力アップ!」なんて思っていた私の思考はなんと浅はかなことか…。
こうして見てみると上の項の内容と一致していて、理想的なポジションをとれるのはDHバー、続いて下ハンの前側をもつことにより20~25%も空気抵抗を削減できるのだとか。
トレーニングとしてあえて風を受ける!とか速く走ることを意識せずのんびり~なんて時はあまりきにしなくてもよいでしょうが、練習として走るのなら「姿勢を低く!肘は内側に!腕は前に!」を合言葉に取り組みたいものです。
まとめ
ロードバイクで走る以上避けて通れない空気抵抗。偉大なる自然の法則に少しでも抗うために今後意識して取り組むべき内容を自分なりにまとめますと
- 姿勢を低く保つ
- 脇を絞って肘をなるべく身体の内側に入れる
- 可能な範囲で腕を前に出し、上腕の水平断面を楕円形に近づける
この3点を守って走ることを意識してみます。
想像する感じなんだか窮屈そうなフォームですが、この状態である程度の時間を走り続けられるようになれば同じ出力で出せるスピードの向上が見込めますし、その上脚力を上げることができれば更なる速度向上も可能なはず。
当面の目標は「平地単独無風の状態で40km/hを30分キープ」できるようになること!!